途方に暮れてる

愛について書く

悪いことがしたい

 

体調悪くて学校休んでしまった。わたしはいま人の家にいます。学校休んじゃったって言ったら、じゃあうち来ていっしょに寝ようよってことになってさっきまで寝ていたんだけど、案の定私だけ目覚めてしまった。もう外は薄暗くて、というのもきょうは曇りだから朝から灰色だったんだけど、活動するのに支障をきたしすぎるから電気をつける。その人は、ツレうつのツレみたいな感じの寝癖をつけて、苦しげに目をつむっている。そりゃそうだよね。ごめん。でも電気消したらスケジュール帳に書き込みもできないし、パソコンの画面のせいで目が悪くなってしまう。少しでも光があると、睡眠の質はがくんと落ちるってインターネットに書いてあった。このままこの人は多分夜遅くになるまで起きないだろう。私は1人でバスに乗ってうちへ帰るのだ。なんだかなあって感じがするけどまあ、仕方ない。

 

きのうの夜、わたしはなんだかとても憂鬱で、バイト先で先輩が帰ったあと1人で洗い物をしながら泣いていた。世界は一人称でしかありえないから、「わたし」っていう存在は世界に溢れかえるほど生きているって、ほんとうにすごいことだな。毎日意識していたら頭がおかしくなってしまうけれど、道を歩いているおばさんも、自転車に乗った小学生も、コーヒーを運んで来てくれるウエイトレスも、テレビの中の天気予報のおじさんも、みんな生きているってこと考えるととんでもない。

今隣で苦しそうに鼾をかくこの人が言っていたんだけど、世界をつくったグラフィックデザイナーやシナリオライターがいるならその人たちはまじでやばいって。解像度高すぎだし、気持ち悪いくらい情報量が多い。モブの一人一人に人生があったら主人公の立つ瀬がないよ。

 

悪いことがしたいなあ。わたしはまじめ人間であるから、目的もなく大学をサボるという行為は実ははじめてだ。いや体調悪いんだけどね。こうして人の家に来るくらいの元気はあるわけだし。山田うどんで冷奴食べたり、ワードバスケットを少しだけやることもできるんだったら、学校行って授業受けるくらいできそうな気もする。高校より前はたくさん学校に行かない日があったけど、小中高とは違って大学は自分で選んだ場所だから本当はあまり無駄にしたくない。でもたまに息苦しい。退廃的に生きていきたいし、わんわん泣きたい。早く大人になりたい。もしかしたら大人にるって悪いことをすることかもしれない。

 

栄養と睡眠がないと人って生きていけない。自律神経とかそういうものってとても大切だってわかった。幸せになるためには気持ちの持ち方が大切だ。世界は丸くてカラフルだから、立つ場所によってどんな色にも見えてしまう。

工事をしている音がする。どこへ行ってもわたしは1人になれない。「わたし」の連続が世界をつくっていて、その連続が途切れたらたぶん世界は終わるんだと思う。だから今はこうして工事の音と鼾を聞きながら、本を読みたいと思います。